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2026/06/30 18:00

<ライブレポート>eill 初アジアツアー【ACTION ASIA TOUR 2025-2026】ファイナル――バースデーと豪華コラボが重なった、幸福な一夜

 eillの初アジアツアー【ACTION ASIA TOUR 2025-2026】の追加公演が、6月17日、東京・LIQUIDROOMで開催された。

 国内6都市、そして台北、香港、バンコク、ソウルを巡った今回のツアー。その締めくくりを飾るLIQUIDROOM公演は、DAY1は「WITH FRIENDS」、DAY2は「WITH SPECIAL GUESTS」と異なるテーマのもと開催された。DAY1ではeillのライブに加え、eillと幼馴染によるバンド・CHAINZのステージやカラオケ大会も行われ、アットホームな一夜に。本稿でレポートするDAY2では、事前に出演が発表されていたGANMI、Aile The Shotaをはじめとする豪華ゲストが集結。さらにこの日はeillの誕生日でもあり、ツアーファイナルとバースデーを祝う特別な一夜となった。

 サポートメンバーの松浦千昇(Dr.)、サトウカツシロ(Gt.)、Ryo‘LEFTY’Miyata(Key.)、越智俊介(Ba.)、YosukeMinowa(Manipulator)によるセッションでライブがスタートすると、ブルーブラックのロングヘアーを靡かせたeillが登場。「楽しんでく準備はできてますか!?」という呼びかけに、観客は歓声で応えた。

 1曲目は、2nd EP『ACTION』の表題曲「ACTION」。さらに「FAKE LOVE/」「NEEMIA」「25」と序盤は一気に駆け抜けた。ツアーを通して育てられた楽曲たちが、観客から力強い手拍子や声を引き出し、会場の熱は一気に引き上げられていく。前日公演で生まれた親密な空気の余韻もあり、その立ち上がりは驚くほどスムーズだった。

 eillが「ただいまー!」と言うと、観客は「おかえりー!」と応える。最初のMCでは今回のツアーで「たくさんたくさん、パワーをもらいました」と語り、その力をステージに還元する決意をまっすぐに言葉にした。

 続いて披露された「フィナーレ。」は、世界中のファンとeillの心を繋げるアンセムだ。eillがフロアへと手を広げると、観客が歌声を重ね、会場は温かな一体感に包まれる。eillの幸せを抑えきれないような笑顔が、このツアーの充実を物語っていた。

 疾走感溢れる「プレロマンス」を経て、EP収録のバラード「ラストシーン.」では、ノートを片手に歌うパフォーマンスが印象を残す。楽曲の終盤でノートを静かに閉じ、前を見据えて歌うeillの姿は、別れの悲しみを抱えたまま前進を決意する、楽曲の世界観と呼応していた。

 中盤のMCではこのあとのゲスト登場を示唆しつつ、前日のカラオケ大会の盛り上がりについて、「私がライブしたなかで、みんないちばん声出てた(笑)」と笑いながら振り返った。この日が自身の誕生日であることにも触れると、「昨日のうちらには負けてらんないぞ!ってことで、もっともっと声出してほしいんですけど、いけますか!?」とフロアを煽り、最新曲「Glitch*」へ。会場を存分に踊らせ、ライブは後半へ突入する。

 ここから怒涛のコラボレーションパートだ。まず披露されたのは、GANMIとの「with U」。ステージ上ではダンサーが次々と躍動し、フロアから大きな歓声が上がった。続く「AGE」ではAile The Shotaも合流。Shotaがリリックの一部を「eill」に換えて歌うことで、同じ時代を生きる“同志”としての共鳴が強まった。サビではダンサーのソロパートも挿入され、ストリート的なノリとともにパーティー感が一気に加速した。

 さらに「シークレットゲストがいます!」と「tell me tell me」へ。☆Taku Takahashi(m-flo)、向井太一がサプライズで登場すると、フロアの熱量はさらに跳ね上がった。MCに入るや否や、eillが「Water, Please!」と叫んだのが笑いを誘ったが、それも納得の熱気だった。「昨日より盛り上がってるかもしれない」「やっぱm-flo先輩ヤバい!」と興奮を隠さないeill。その空気は観客とも確かに共有されていた。

 本編ラストのMCで、アジアツアーという夢を叶えられた喜びを語ったeillは、「音楽を始めた時は、自分がなりたいもの、成し遂げたい目標が何もなくて。でもみんなと出会って、伝える喜びを、分かち合う喜びを教えてもらいました。本当にありがとう!」と観客に感謝を伝えた。そして、「つらいことや挫けそうな日もありました。きっと、みんなもそうだよね。周りと比べて自分のことが嫌になったり、重力に負けそうになったり……」と観客一人ひとりの人生に思いを馳せながら言葉を紡ぐ。

 「あとちょっと踏み出したい時、勇気を出したい時、私を呼んでほしい。『行ってこい!』『前向いて頑張れ!』って、私はみんなの背中を押します。だからつらくなったら、つらい時じゃなくてもいいよ、また会いに来てください。あなたの人生の主人公はあなた。光を当てられるのは自分しかいない。みんなの明日が光輝くように、この曲を送ります」

 そんなメッセージとともに届けられた「SPOTLIGHT」は、観客一人ひとりの存在を照らし出すように響いた。続く「革命前夜」「WE ARE」「ここで息をして」でも観客のリアクションは力強く、会場全体が一体となって熱を高めていく。そして本編ラストの「ACTION」へ。ニュー・ジャック・スウィングのビートに合わせてGANMIから4名のダンサーが軽やかなダンスを繰り広げるなか、eillも笑顔でステップを踏み、エンディングへと向かった。

 アンコールでは、新曲「エブリー・サマー」のリリースを発表し、EP収録曲「曖昧な指切り」を披露。この曲についてeillは、友人へ向けて書いた楽曲であることを明かし、「絶対うまくいく」「必ず大丈夫」と言い切るのではなく、「明日も一緒にごはん食べよう」と曖昧な約束をしたかったのだと語った。この曲では、コーラスとして音源にも参加しているシンガーソングライター、てつとを呼び込み、楽曲の世界観をまっすぐに届けた。

 ラストは「HAPPY BIRTHDAY 2 ME」。バースデーサングラスと「今日の主役です」と書かれたタスキを身につけたeillが歌い終えると、ステージにケーキが運び込まれ、豪華ゲスト陣も勢ぞろいした。「みんなのおかげで最高の誕生日になりました!」とダブルピースするeillの笑顔をもって、【ACTION ASIA TOUR 2025-2026】は幸福な余韻の中で幕を閉じた。


Text:蜂須賀ちなみ
Photo:tatsuki nakata

◎公演情報
【ACTION ASIA TOUR 2025-2026】
2026年6月17日(水) 東京・LIQUIDROOM

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